【完】雨音*涙音~すれ違う恋心~
「あ、ごめん!何?」
「あの子でしょ?優愛が忘れられない人って!」
「あ、うん。早瀬蓮。小4からの友達。」
「“友達”じゃなくて“好きな人”でしょ?」
そう言って私を肘で突く桃菜。
「そ、そんなこ……」
「そうでしょ?」
私の言葉を遮って言った桃菜に私は何も返せなかった。
「ねえ!!木下さん!」
そう声をかけられて私は少し上を見上げた。
「はい?」
「早瀬くんにこれ渡しといて!」
と私に小さな紙を渡してくる女の子たち。
今さっき転校してきて私と少し会話してただけなのに
話が通るの早い……
「お願いしまーす!!」
そう言って走って私たちの教室から出て行った。