【完】雨音*涙音~すれ違う恋心~
「大丈夫か??」
少しペースが落ちた私にそう声をかけてくれた蓮。
私はにっこり笑って大丈夫ということを伝えた。
「……っ!!」
突然足に激痛を覚えた私のペースはガクンと落ち、蓮との距離はとても離れてしまった。
私は自分の左足を見つめ、
痛みをこらえた。
きっと歩きすぎによる靴擦れ。
でも、蓮とせっかくのお泊りデートだから笑顔でいたい。
そう思ったらなんだか笑顔で居られる気がした。
「優愛、疲れたか??少し休むか?……あっ」
私の遥か前を歩いていたはずの蓮が私の前に立っていた。
そしてそう言った蓮は私を近くの花壇の周りにあるレンガに座らせ、
「ここに居ろよ。」と言ってどこかに行ってしまった。