【完】雨音*涙音~すれ違う恋心~
あれから10分ほどで蓮は私の元に帰ってきた。
「お前、言えよな。靴擦れしてんだったらよ…」
といいながら私の靴を脱がせ、
薬局で買ってきたであろう消毒液と、
絆創膏で私の靴擦れを治療してくれた。
「…ごめん」
私がそう謝ると、蓮は…
「…いや、俺がごめんだな。」
「え?」
「俺が気づいてやればよかったんだよな……大丈夫か??」
そう言って私と同じ目線になるため、
しゃがみ、私の頭をポンポンと優しく叩いた。
ドキドキドキドキ……
私の胸はまた騒ぎ始めた。
私の怪我に気付いてくれて、
私に優しくしてくれて……
「…蓮…ありがとう。」
蓮に向かってそう言った。
何もかもが嬉しくて目に涙を浮かべたまま……