【完】雨音*涙音~すれ違う恋心~
*蓮side



俺が優愛の靴擦れに気付いたのは
優愛が痛そうな顔をしたから。


なんでもっと早く気付いてやれなかったのかと、
優愛を背負いながら後悔していた。


「ごめんな…優愛ほんとに…」


俺は気持ちよさそうに寝息を立てる優愛に向かって
そう声をかけた。


そして、そのまま俺は歩き進めた。



しばらく歩いていると、
俺が予約した旅館についた。


優愛を起こそうと思ったけど、
可哀想だと思ったから、俺は起こさずに
フロントから鍵を受け取り部屋に向かった。



扉を開けると、大きな窓の向こうに海が広がっていた。


「これは、優愛喜ぶな……」


なんてひとりごとを言いながら
布団を敷き、優愛を寝かせた。


つか、ほんとに起きねぇ……


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