【完】雨音*涙音~すれ違う恋心~
「ね、今のって2年生だよね」
「え?2年生?」
「うん、校章、赤色だったし!」
「見てなかった……」
「で、渡すの?」
「わ、渡すよ……渡してくるね……」
私はそう言って席を立ち、黒板前に居る蓮に話しかけた。
「蓮。ちょっといいかな?」
「あ!!優愛ちゃんもしかして忘れられない人って
早瀬の事なんじゃねえの!?」
ドキンッ
一人の男子生徒にそう言われ私の顔の温度は一気に上昇する。
「ちょ……」
「止めろよお前ら。」
え。
桃菜が叫ぼうとした時、蓮が私の肩を抱き寄せそう言ってくれた。