【完】雨音*涙音~すれ違う恋心~
「はぁーうまかったあっ!!」
と蓮がレストランから出て
両手を上にあげながらそう言った。
「ほんとだね!美味しかったあっ」
私はそう言いながら左腕につけた腕時計を見た。
指していたのは1時半。
結構な時間レストランに居たんだと思い、
蓮に時間を伝えて、少し遠い所にある
イルカショーのステージに向かった。
「うわっ!もう結構な人居るなっ」
「うん……前の方は空いてなさそうだよね……」
屋内でされるイルカショーは
とても人気らしく、
いつでも人がいっぱい。
「と言うと思って、じゃん!」
そう言いながら、
右手の人差し指と中指で2枚の紙を挟んで私に見せた。
「あああっ!!!」
私の少し曇った顔がパアッと
明るくなったのが自分でも分かった。