【完】雨音*涙音~すれ違う恋心~
ショーを見終わると、
観客の目には感動という名の涙が浮かんでいた。
イルカ達のショーでこんなに感動したのは初めてだった。
イルカ達は感情を込めて、
みんなに伝えようと必死に技を行なっていて、
頑張っているんだなと改めて思った。
ショーが終わったというのに
席をたとうとする人は居ない。
それだけ愛されているイルカショーなんだね……
「…優愛、行こうか…」
と蓮が、静かに私に話しかけてきた。
私は小さく頷き席を立った。
「うわっ!!」
バランスを崩し蓮の方に倒れてしまった。
「お。大丈夫か?」
と軽く私を支えた蓮。
私の体温は上がるばかり。