【完】雨音*涙音~すれ違う恋心~
「蓮、優愛ちゃんに“あの事”話したのか?」
後ろから潤に声をかけられた。
振り返った俺は、潤にうんと頷いた。
「あの子ほんとに蓮の事考えてるぜ?」
「え?」
俺は潤が言った言葉を理解出来なくて、
聞き返した。
「俺が初詣行った時、優愛ちゃんも来てて。
お参りのとき、たまたま隣で、優愛ちゃんが
声に出してお参りしてたんだよ。」
「………」
俺は潤の話をじっと聞いた。
「優愛ちゃんはお前の事本気で“愛してんだよ”!
ちゃんと話してやれよ!」
そして、話し終えた潤はそう言い残して、
俺より先に校舎内に入った。
俺は嬉しさと、ドキドキでしばらく動けなかった。
“愛してんだよ”
なんだよ。潤のヤツ。
んなの俺だってだよ。
―――『永遠に蓮の隣で笑っていられますように……』
*sideend