【完】雨音＊涙音~すれ違う恋心~

*蓮side




俺が少し怒ったように優愛から離れた。

そして、突然俺の腕をグッと掴む優愛の姿。


そんな優愛は涙を目に溜めていた。


「ん?どうした?優愛。」


俺がそう言うと、優愛は『ごめん。なんにもない』
と、掴んでいた俺の腕から手を離した。


それでも、目に溜まった涙は溢れるばかりで、
俺は優愛の頬に落ちた涙を拭き取り言った。


「優愛、なんで泣いてる?ちゃんと俺に言え。」


そして、少し経って、
自分の手の甲で涙を拭き、口を開いた優愛。



「…蓮何か隠してる?私に。」



ドクン。


俺の胸が波打った。