【完】雨音*涙音~すれ違う恋心~



俺はそれからなぜかドンドンと意欲がわき、
勉強に専念できるようになった。



成績の順位も上がって来た。



そんなある日、親父に


『この会社お前に継いで欲しいと言ってくれてる』


と言われた。



俺が継いでしまえば
この地域から離れることが出来なくなる。



それは優愛に会いたいと思う
中学生の俺には凄く酷なことだった。



でも、俺は、嫌だと言えなかった。


兄貴に継がせればいい。


そう言いたかったけど、
兄貴はもうこの世にいない。



俺が小3の頃。

兄貴は道路に飛び出した俺を助けて、
走ってきたトラックにひかれて死んだんだ。



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