【完】雨音*涙音~すれ違う恋心~
そして、親父がようやくキレ出した。
『約束だろう』と。
俺は決めたんだよ。
「優愛、」
「……何…れ、ん…」
涙を一生懸命こらえる優愛に俺は伝えた。
「優愛、俺は親父のところに戻るよ。」
「……」
「できるだけ早くって言われてたから、
戻る日は、今年の11月。」
「……わ、別れるの?」
「…俺は別れるつもりはない。でも、
優愛が辛いんだったら俺は、何も言わない。」
優愛も悩んでんだ。
今。凄く。
俺以上に…………
「わ、私は…別れない。遠距離になっても、
頑張る自信あるし、会いにも行く!絶対……」
真剣な真っ直ぐな目で俺に訴えた優愛。
「…うん。別れないよ。優愛。」
俺たちは神に誓うように抱き合い、
キスをした。
*sideend