【完】雨音*涙音~すれ違う恋心~
食卓に、朝ごはんが並べられていた。
「お父さん、作ってくれたんだ。」
ありがと………
私は朝ごはんを食べリビングでテレビを見た。
夏休みの課題もせず。
1人でリビングに居るのは何年ぶりだろうか。
いつもは、朝食べたらすぐ学校だし、
夕方帰ればすぐ夕飯で、
食べたらすぐ部屋に戻るし。
休みの日でもずっと部屋にいて
ケータイ触ってる。
お母さんや、お兄ちゃんが居た頃は
リビングに居るのになんの躊躇いもなかった。
だけど、今、リビングに居るのは
少しだけ躊躇ってしまう。
お父さんともあまり話さないし。
私、変わらなきゃ。
お母さんがいなくなった頃と一緒じゃダメ。
―――ちゃんと変わらなきゃ。