【完】雨音*涙音~すれ違う恋心~
冷たい雨の中、
私と蓮はずっと抱き合っていた。
涙と雨の雫を肩に感じながら
ずーっとずーっと………
「優愛………好きだ。好きだ。大好きだよ。」
と、雨の音でかき消されそうなほど
か弱い声で囁く蓮。
私はぎゅっと目を瞑り、
「私も……私も大好きだよ。蓮。ずっとずーっと。」
そう、雨の音にかき消されないように
大きく、そして、
力強く。
蓮の心の底に届くように………
それから、通り雨だったのか、
しばらくすれば雨も上がった。
雨があがったと同時に蓮は私の唇を塞いだ。
少し涙の味がする、
しょっぱいキス。
でも、それすらもう、
愛おしくてたまらない。
「れ、ん……」