【完】雨音*涙音~すれ違う恋心~
「蓮、もう大丈夫。」
「うん。帰るか。」
「うん。」
蓮は私の手を握り歩き始めた。
向かうところは私の家。
その道中、なにも言葉をかわすことなく、
握っている手をギュッと握ると握り返される。
を繰り返していた。
その強さが凄く心地よくて。
離してほしくない。
そう感じる。
でも、私がこんなに
蓮と離れることを怖がるのは
“好き”が大きいから。
桃菜よりも、
いとちゃんよりも、
潤くんよりも、
池田くんよりも
相沢くんよりも。
何よりも蓮への好きが大きいから。