【完】雨音*涙音~すれ違う恋心~
「…着いたよ。」
「送ってくれてありがとう。」
「うん。」
「気をつけてね」
「おう!んじゃあな。」
「ばいばい!」
あ、この後ろ姿、前にも見た気がする。
私がミユちゃんに連れだされた時、
蓮が私を助けてくれたあの時と同じ。
蓮が怒りながら私から離れた時。
『あ…………待って…』
あの時私は、
蓮が私の前から離れていくような気がしたんだ。
あの時の後ろ姿が今の蓮の後ろ姿と似ている。
本当に離れていってしまうんだ………
後、3ヶ月弱で離れちゃうんだ………
そう思うと、
蓮の後ろ姿を見ていられなくなった。
私は唇を噛みしめ、家に入った。