【完】雨音*涙音~すれ違う恋心~
「おかえり。優愛。」
「あ、お兄ちゃん。ただいま。
お兄ちゃんもおかえり。」
「うん。ただいま。飯食おうぜ。」
お兄ちゃんは私の頭を撫で、
先にリビングに入った。
「お父さんただいま。」
「おかえり。」
そして、久しぶりに3人で食卓を囲む。
「あ、お父さん。お父さんに言わなくちゃと思って。」
「何?」
「蓮がね、またこの街から居なくなるんだって。
もう、帰って来られないかもしれないって。」
「…そうか。どうしたい?優愛は。」
え?
お父さんから出た意外な言葉。
「どうしたい?ってどうもできないでしょ?」
「そのまま遠距離になるのか?」
「そのつもりだよ。」
「そうか。」
お父さんはきっと心配なんだ。
私が。
私の事が…………