【完】雨音*涙音~すれ違う恋心~
やっと抜け出せたと思ったら、
蓮と手は離れてしまった。
「蓮……?どこ……」
なんて叫んだ声も、人混みの中に消えてしまう。
おとなしくここで蓮が来るのを待つしかないのかな。
と少し弱気になったとき。
「優愛!!!」
と、大好きな声が聞こえ、
私はキョロキョロとあたりを見渡した。
「蓮っ!!!」
「ごめん。手離しちゃって。」
と私の肩におでこを置き言う蓮。
「ううん。大丈夫。今こうして会えたし。」
私は落ち込んだ蓮を慰めるように頭を撫でた。
「…ごめんな。」
と蓮が呟いたとき、ひとつの花火が打ち上がった。
―――ドーンッ!!!