【完】雨音*涙音~すれ違う恋心~
「そろそろだな。行くか。」
そう言って、私の手をとった蓮。
時間的にもうそろそろ、
花火が本格的に上がる。
「蓮、どこまで行くの?」
「秘密の場所。」
「秘密の場所??」
「うん。」
蓮は小学生みたいに無邪気に笑い、
歩き進める。
「ここだよ。」
連れてこられた場所は、
誰もいない、原っぱ。
クローバーがたくさん咲いているような、
緑でいっぱいの原っぱだった。
「どうしてここなの?花火大会の会場からは遠いよ?」
疑問を持った私は蓮に尋ねた。
――チュッ
「ここなら、2人で居られるだろ?」
軽く触れるだけのキスをしてそういった蓮。