【完】雨音*涙音~すれ違う恋心~
あの頃に戻りたいと願っても戻れないのが現実で。
そんな風に思いながら、
公園のベンチに座って自然と流れる涙を拭き続けた。
「……ううっ……くっ……」
止まらない………
涙も雨も。
「おいっ!!!」
私の左側から聞こえてくる声。
ザッザッと、砂を踏んだ音が聞こえる。
私に近づいてる。
ギュッ
私をベンチから立たせ抱きしめる人。
「……はぁ、探したんだからな。」
そう耳元で呟いた。