【完】雨音*涙音~すれ違う恋心~
「蓮…………」
「優愛」
「なんで、来たの。」
私は何故か素直になれなくて、
冷たく蓮に言った。
「なんでって………」
「私から、離れて。」
「なんで離れないといけない?お前震えてるだろ。」
どうして優しくするの。
私を“好きじゃない”んでしょ?
「いいから離れて……」
私はもっとトーンを落とし、
冷たく言い放った。
そう言うのは“幼なじみ”に戻るためなの。
忘れるのよ、私は。
――蓮を好きだったという事実を。
忘れさせてほしい。
だから離れてほしい。