【完】雨音*涙音~すれ違う恋心~
「俺は離れるつもりなんてねぇよ。
お前は大事な“幼なじみ”だから。」
ほら。ほら。ほら。
“幼なじみ”なんでしょ。
私そんなんじゃ、納得しない。
私は、“好き”なんだから。
「離れて。私は、“幼なじみ”だなんて思ってない!」
私は、そう言い放って蓮の腕を振り払った。
「優愛っ!!待てよっ!!」
蓮の声は私の胸に響いていた。
聞こえていたけど振り返らなかった。
そして、家を目指して走った。
――雨の中。