【完】雨音*涙音~すれ違う恋心~
もらったバスタオルで髪の毛を拭きながら言った。
「なんにもないよ。ただ、傘持って行ってなかっただけだから。」
私はそう笑って濡れた靴下を脱ぎ、
部屋への階段を登った。
「優愛っ!」
お兄ちゃんは私の名前を呼んでいたけど
私は部屋の扉を閉めた。
カーテンも閉められていて、
電気も消えた状態の暗い部屋で、
私は扉にもたれながら座り込んだ。
制服濡れていて気持ち悪かったけど、
お構いなく膝を立て座った。