【完】雨音*涙音~すれ違う恋心~
『優愛?会いに行っていい?』
そう言う桃菜。
「ごめん。今日は……」
『あ、そっか…』
私は、寂しいはずなのに、
断ってしまった。
桃菜の言葉に返事をしないまま
私は、電話を切った。
「……ふっ……うっ………」
一気に涙が吹き出す。
それと同時に外の雨も強くなる。
――コンコン
私の部屋の扉が誰かによってノックされる。
「……はい。」
私は静かに返事をした。
「俺だよ。優愛」
その声はお兄ちゃんだった。