【完】雨音*涙音~すれ違う恋心~
「優愛……」
「ごめんね。お兄ちゃん、私勉強したいな……」
私はそう言ってお兄ちゃんを部屋から出した。
お兄ちゃんの優しさが今の私には辛い。
ごめんねお兄ちゃん……
私はベッドにもぐり込み丸まった。
『俺は。優愛なんか好きじゃねえよ。』
蓮の言葉が頭の中をぐるぐる回る。
離れてほしいのに離れてくれない。
蓮の事嫌いになりたいのになれない……
私だって好きじゃないって言いたいのに。
口が思うように動かない……
頭から離そうとすると、余計に蓮の顔が浮かぶ。
もうやだ……