【完】雨音*涙音~すれ違う恋心~
「入ろう。優愛。」
「あ、ま、まって……」
私は、あれから久しぶりに面と向かって顔を合わせる。
緊張でもう、体が動かない……。
「大丈夫だよ?早瀬くん気にしてないみたいだし。」
「なんで分かるの?」
「ここに優愛を呼ぼうって言ったの早瀬くんだから。」
そう言って桃菜は笑った。
蓮が……?
本当に…………?
私、あんなにひどいこと言ったのに………。
どうして………。
私は、胸が痛くなって押さえて、
前かがみになった。
「優愛、大丈夫!?」
桃菜が大きな声を出すから、【106】の部屋の扉が開いた。
――ガチャ