【完】雨音*涙音~すれ違う恋心~
「あ、あの、」
「ん?」
「もう、大丈夫……」
私が、そう声をかけると「分かった」と離れてくれた。
「は、入ろうか……」
私は蓮にそう言って、扉のノブに手をかけた。
「待って」
そう言った蓮はノブにかけてある私の手を握った。
「な、何?」
「俺、お前とちゃんと“幼なじみ”になるからな。」
そう言い残して先に部屋に入った蓮。
え?え?
どういう意味?
私が幼なじみじゃないって言ったから?
蓮、どういう意味なの……
私は心にもやもやを抱えたまま、
皆の居る部屋に入った。