【完】雨音*涙音~すれ違う恋心~
「え?」
蓮の視線を感じて私は、蓮の方を向いた。
「……っ」
紅潮した顔で私を見ている蓮。
「だ、だから……わ、私、あの時は
ちょっと、イライラしてて……」
もう一度言うと蓮は、「はぁぁ!」と
大きくため息をついた。
それから蓮は、言葉を続けた。
「良かった。マジで優愛に嫌われたと思ったし、
“幼なじみ”で居られないって思った……」
どうしても、やっぱり“幼なじみ”なんだね。
「ご、ごめんなさい。“幼なじみ”だから。ちゃんと……」
私は、出来るだけ明るく言った。