【完】雨音*涙音~すれ違う恋心~
Rain2
不思議*
そして、夏休みがあっという間に終わり、
今日からテスト期間へと入った。
勉強はそんなに得意ではないけど、
苦手でもない。
だけど、テストみたいに成績を決めるようなのは大ッ嫌い。
なんか、順位とか出るとやる気無くしちゃう……。
「優愛っ!!」
「あ、ごめん。ボーッとしてた」
桃菜に声をかけられてハッとした。
「またボーッとしてること多くなったよね。優愛。
もしかして、夏の暑さにやられたとか?」
そう言って「んなわけ無いか」と
1人ノリツッコミをしている桃菜を見て
私は少し微笑んだ。
「あ、笑ってる!」
と、物珍しそうに私の顔を覗きこんでくる桃菜。
「な、何?」
登校途中にも関わらず立ち止まってまで
私の顔を見物している。
「桃菜、遅刻するよ?」
私が冷静に声をかけると「ヤバッ」と言って走りだした。