【完】雨音*涙音~すれ違う恋心~
「あ!!待って!桃菜っ!!」
走って行ってしまった桃菜を
私は精一杯追っかけた。
「はぁ……」
桃菜に追いついた頃にはもう、学校に着いていた。
「遅いよー優愛っ!」
そう言いながら下駄箱前で私に手を振っている桃菜。
「ほんと早いんだから。」
私は、ボソッと呟き歩き始めた時、
後ろから名前が呼ばれた。
「優愛。おはよ。」
「蓮…お、おはよ。」
か、顔が見れないっ……
「どうした?」
顔を覗きこまれる。
「え、っと、あ!桃菜が待ってるから行くね……っ!!」
私はそう誤魔化して、
蓮の元を去った。