【完】雨音*涙音~すれ違う恋心~
馬鹿*
「うん?優愛どうしたの?」
突然立ち止まった私を不思議そうに見つめる桃菜。
「あ、私トイレ行ってくるね!
先にいとちゃんのクラスに入ってて!」
私はそう言い残して
蓮の前をすり抜けその先にあるトイレに向かった。
「はぁ………」
私は、鏡に向かって深くため息をついた。
蓮……
月日が過ぎていくにつれて、
蓮を嫌いになるどころか好きになってる。
蓮の声を聞くだけで、
蓮の目を見るだけで、
鼓動が早くなって、体温が上がって……
だけど、私がもし「好き」なんて言ったら、
蓮はどう思う??
分かんないよ………
自分の気持ちに頭がついていかなくて、
辛いよ……
しばらくしてから顔をパシンと叩き、トイレから出た。