【完】雨音*涙音~すれ違う恋心~
3年ぶりのお母さんの顔。
「お、お母さんてさ、可愛いよね………」
「優愛?」
「可愛いよね………」
涙が出そうだったから
逸らすために可愛いと連発した。
「お、かあさん。行ってきます。」
私はお母さんの写真に挨拶をして
玄関の扉を勢い良く開けた。
「………っ」
「よっ!」
「れ、蓮、どうして……」
「どうしてってなんとなく……?」
扉を開けると門の前には蓮の姿があった。
そんな蓮の行動は私をドキドキさせる。
「優愛、行こうぜ。」
「行こっ!」
蓮の隣からヒョコッと顔を出したのは
いつも一緒に行く桃菜。