【完】雨音*涙音~すれ違う恋心~
切ない声*
午前の授業が終わり、お昼休みになった。
前に座る桃菜は椅子をいつものように
180度回転させてお弁当を開いた。
「はぁー!!」
と突然大きなため息をついた桃菜に
私の肩はビクッと震えた。
「どうしたの?桃菜………」
「別に何もないよ。ただ“バカ”だなと思って!」
「だ、誰がバカなの?」
私は箸を持つ手を止めながら桃菜の目を見つめた。
「優愛も、アイツも!」
そう言って顎で指したのは蓮の事だった。
「私……?と蓮?どうして?」
「バカじゃん!2人共自分の気持ち隠してさ!」
そう言ってお弁当をガツガツ食べる桃菜。
桃菜、お、怒ってんのかな……