【完】雨音*涙音~すれ違う恋心~



午後の授業が始まると同時に雨が降り出した。


「なぁ、木下!」

「はい………!」


突然担当の先生に名前を呼ばれハッとした。


「早瀬は知らないか?」

「いえ、昼休みから見ていません。」


私はそう先生に伝えると先生は「そうか」
と言って授業を再開した。


蓮、どこに居るんだろ……


雨降ってるから行くところは限られてるはずだけど……

いつもなら隣に座っている蓮の姿が無くて
少しソワソワした。


――コンコン


と私の机の裏をコンコンと小さく叩く桃菜。
叩き終わったと思ったら小さな紙が桃菜から回ってきた。


なんだろ………

私は、小さく畳まれている紙を静かに開いた。


【心配なんでしょ?大丈夫?】


と書かれていた。


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