【完】雨音*涙音~すれ違う恋心~
私は桃菜の字を見て少しウルッとした。
その紙の隙間に小さく【ありがとう♪大丈夫!】
そう書いてまた回した。
心配だけど、蓮がわけもなく
サボるなんてありえない。
だから、何か用があったのよ。
私は、そう言い聞かせて黒板の文字を板書した。
―――………
結局5時限目の授業、6時限目の授業に
蓮は参加することは無かった。
そして放課後。
「あー。傘忘れたよー」
と、5時限目と6時限目の間でも嘆いていた桃菜は
放課後になった今でも言い続けていた。
「桃菜、私も忘れたから…
職員室に借りようよ!」
そう言ってなんとか、桃菜を落ち着かせ
職員室に向かった。