【完】雨音*涙音~すれ違う恋心~
そのまま私の手を握り続けたまま、
教室に着いた私達。
そして、手を離した蓮は自分の席まで歩き、
机の横にかかっているカバンを
机の上に乗せて、後ろのロッカーに向かった。
私は、その様子を教室の後ろの扉から見ていた。
蓮はロッカーからジャージを取り出し
制服を脱ぎだした。
私は咄嗟に蓮に背を向けた。
と、突然脱ぐのやめて欲しい……
もう…………
「…あ。優愛。帰んぞ。」
名前を呼ばれ、私は肩を震わせた。
振り返るとそこにはジャージ姿の蓮。
袖を腕まくりして、裾は少し折ってる。
蓮のジャージ姿に見惚れていると
蓮が私の横をすり抜け「置いてくぞー」と
手をひらひらさせながら門を曲がっていった。
私は、「待って!」と追いかけた。