【完】雨音*涙音~すれ違う恋心~
蓮は歩くのが早くてもう、階段のところには姿は無かった。
「もう………」
私がそう呟きながら階段を降りると、
上から声が聞こえた。
「木下さん。」
振り返るとこれまたジャージ姿の池田くんだった。
「あ、」
「ちょっと話があるんだけど。いいかな。」
「え。」
どうしよ、蓮探さないと。
一緒に帰る約束してるし………
「少しだけでいいんだけど。」
私は少しだけならと、池田くんの話を聞くことにした。
階段に座り池田くんが話し始めた。
「あのさ、やっぱり早瀬が好きなのか?」
唐突にそう聞かれびっくりした。
「あ、え、えっと」
でも、それは図星だったから動揺が隠せない。
「やっぱりほんとなんだね。
でもさ、アイツは木下さんの事なんとも思ってないんだろ?」