【完】雨音*涙音~すれ違う恋心~
た、確かにそうだけど………
「オレ、木下さんを諦められない。付き合ってください。」
そう立ち上がりながら言われた。
ど、どうしよう………
「あ、あのね、私は蓮が好きなの。
だから、池田くんの想いに応えられない。」
私は池田くんを傷つける覚悟でそう言った。
言ったと同時に俯いた私の目には涙が浮かんだ。
「……アイツのどこがいいの?」
少し震えた声で私に尋ねる池田くん。
「どこだろうね。分からない。」
「え?」
「分からないけど、4年前からいやもっと前から
蓮の事を好きだったから。私、蓮になんて
思われていてもいい。蓮の事を好きで居たい……」
私は桃菜に言われた通り自分の気持ちに正直になった。