ミスティック
これがあのキザな男の仕業なら、まず俺を殺しに来るだろう。
ここでじっとすると死期を待つだけだ。



そう思い、教室を出た。


いつもならここで人が歩いていて、うるさいぐらいの声で喋っているはず…なのだが、寒気がするくらい音は無かった。


俺らは声の無い静かな廊下を歩いた。


足音だけが聞こえる。



それが…また不気味だった。


俺らは校門を目指した。


何の根拠も無いが校門を出れば逃げ道があると思う。


そう思っていたから。


なにげなしにしょうもない事を蓮村に聞いた。



峰坂「…なあ、蓮村。」


蓮村は疲れた声で口を開く。



蓮村「…何だよ」


峰坂「昨日のニュースのここの制服の男子、今の状況で俺って言ったら信じるか?」





蓮村「…信じたかねえよ。」





俺は少し笑みを浮かべた。



苦笑いだけど…。
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