ミスティック
俺らはひたすら下に向かった。


たった五階降りるだけなのに時間が長く感じる。




…いや、時間は進んでいない。




止まっている。

さっき水道を見たが、水滴が宙に浮きながら止まっていた。


虫も飛んだまま止まっていた。


時計を見たが、これまた止まっていた。


それを見て俺は理解した。
みんなが動かなくなったのではなく、今の時間が止まっていることを。




そして俺は危険な状況にさらされていると。


運動場右の方。



俺らは今そこにいる。


もう少しで校門だったが校門にはキザな男がいると予想し、裏門に行くことにした。


裏門には誰もいなくて予想は的中したと思ったが、…後ろから飛んで来た。




…あいつが。




キザな男「…おっと…どこ行くんですか?荘介さん。」


無駄に馴々しい喋り方、キザな男に違いない喋り方だ。


キザな男「表門で待っていましたが、あなたの反応がどんどん遠くに行きますから、慌ててこちらに行きましたよ。…そしたら、見事にあなたがいました。おや、すいません。あなた「達」でしたね。」


峰坂「いや、こいつは数に含めなくていい。」

蓮村「何でだよ!」



キザな男「…まあ、私に見つかったって事は…あなたは終わりって事です…。」

蓮村「おい!お前の乗るな!!あなた「達」だろうが!!」



キザな男「…それでは…死んで貰いましょうか…。」

峰坂「待て…その前に三つ聞きたいことがある。」
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