ミスティック


ヘルズ「ウ…ガ…。」




…圧倒的だ。





野獣は広い運動場を右往左往するリカに翻弄され、リカに攻撃が当てられない。





さらにリカの攻撃で体がどんどん赤くなっていく。





あの凶暴な野獣がリカの手になるとまるでもてあそばれてる様だった。






リカ「ヘルズ!!とどめよ!」





足が崩れた野獣に向かい、リカが銃を置いてなんか呪文みたいなのを言い始めた。



我は精神の埋めしとき

我は風を見る

我は戦候する時

我は風を生む

お前に訪うば私

私に答えるばお前

私は宣告の時を…





ヘルズ「ウ…ウガガアアア!!!」





峰坂「…危ない!」



野獣が最後の力をだし走ってきた。




リカ「ええ!?どうしよう!この詠唱中は動けないの!何とかして!」




…ええ!


何とかするの!?


何とかってお前みたいに戦えるか!


つかどうしろって、言うんだよ!

俺に力は無いし。

第一こいつを止める事も出来ない。





おとりは…嫌だ、絶対やりたくない。





だとすると蓮村は…こいつも使えない。


道具も無いし…。








…あった。






強力かつ笑いを取れる道具が。


峰坂「これでもくらえ!」


ツルン


ヘルズ「グオ゛ーー!」




バターン!














…野獣は俺の投げたバナナの皮に見事に滑った…。



…なんかシュール…。



リカ「…荘介くんありがとう!」


リカは俺ににこっと笑い、そして詠唱を続けた。




私は宣告の時を問う

風をまといしその始まり

天に降り飾りし有無よ

わが血に答えし風となり

やがて荒れ狂う嵐となれ!

問え風のミスティック。アルメティア!









…風が荒れ始めた。
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