雨の日のふたり
「ちょっと資料見つけてくるな」

「うん」





快が向かう隣の棚の窓に目をやると
雨風に叩かれて今にも落ちてしまいそうな木の実が目に入った。

誘われるように窓に近付く。


窓際の腰ほどの本棚の上に両足も乗っけて腰掛ける。






窓にもたれながら上を向いて木の実を見ていたら

「なにしてんだよ」




重そうな本をそこに置くと上を向いたままの私の前に快がスっと現れて

優しいキスがおとされる。








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