不変の想いを君に…
「十六夜ー、冷やすなよ」
縁側に座っていた十六夜の後ろから抱き着いた天堂は肩に顎を置いて横に一緒に揺れる。慣れている十六夜はされるがまま。揺れる加減が程よくて気持ちいい
「桜ちゃんの具合はどうですか?」
「んー、心配するなするな。あれくらいならワシだって日常茶飯事じゃった。それに回復力も速くてな、もうほとんど治ってるらしいし十六夜が作った飯も全部食べてたぞ」
「そうですか」
安心した十六夜が身動ぎして離してもらうと自分から抱き着いて目を閉じた
何故か分からないが十六夜が感じている感情…負のものが伝わってきた。初めての怪我で寝込んだから不安なのだろうか
「どうした?」
綺麗な髪を手でほわほわしていたが返事が無く、顔を覗き込むと安心したように寝ていた
やはり不安だったのか
思えば自分が怪我をした時、明るく振る舞って手当てやら看病やらしてくれたがふとした時に辛そうに笑う十六夜を思い出した
いつも、何百年も文句一つ支えてくれた十六夜が愛おしい…
細い身体を一度ぎゅっと抱き締めて自室の布団に寝かせて、罪悪感と感謝の気持ちに葛藤した