不変の想いを君に…
だがこんなになる気持ちも分かる
一に十六夜、二に十六夜。息子である自分は三…いや五番手くらいだと分かる。自分だって母親に弱いくらいだから
唯一萎縮しなかった蓮華、前鬼、十夜、神楽がその場を宥めた。その場に居た者は事情を知っているが遠方からの幹部は知らない
「威圧すんな……実は百鬼夜行の途中、変な奴に出逢ってな…まぁ、俺らの問題だから親父には言わなかったがこの前、そいつらの狙いがお袋だって分かったんだ…」
「…それで?」
「そいつらは三獄鬼。地獄の三人の鬼たちだ。三人のうち一人は倒してあと二人。お袋を狙ってるなら俺たちの敵でもある。俺たちだけの問題なら俺たちで何とかすべきなんだろうがお袋が関わってんならそうは言ってらんねぇ…要らねぇ矜持は捨ててお前らに頼む。力を貸してくれ…」
手をついて額を畳につける勢いで頭を下げた総大将に幹部たちは感服していた。一番上にたつ者は簡単に頭を下げないが大切な者のために頭を下げることを惜しまない
「もちろんです、総大将!十六夜様を守って敵を倒しましょう!」
十夜の力強い声に回りの幹部たちからも賛同の声があがり士気が高まった気がする
「ありがとな。お袋の居場所は知られてるが下手に動かしても気づかれる。だからこの場所で守る」
会議が終わって帰る者を玄関で見送る十六夜と琉威たち。久しぶりに訪ねた琉威たちは十六夜と話せて嬉しかったが桜李や天堂の様子がおかしいと思っていた