不変の想いを君に…
「いや~相変わらずお美しいですな。長年生きておりますがあなたのような女性には会ったことがありません。儚く色気もあって…この白魚のような手。すべすべですな~指も細くて長い」
「「触ってんじゃねぇ変態」」
「痛っ」
玄関に正座して頭を下げていた十六夜の手を掴んだ男は鯰のような妖怪でいかにも変態そうな奴だ。十六夜もそれに対して笑っているだけで琉威たちは十六夜の評価には同意だが些か気持ち悪い
だが外から入ってきた天堂と桜李に背中を蹴られて老人を大切にしてくだされ、と腰を擦りながら帰って行った
「十六夜ー」
座っている十六夜に抱き着いた天堂を放って桜李は入って行く
会議ではああ言ったが…いつ出て来るか。それまでに百鬼夜行を強化しなければ
「蓮華」
「はい、桜李様」
呼ぶと笑顔で寄って来てくれた蓮華に今後を伝える
「俺と親父で敵を倒してお袋を守ると言ったよな」
「はい」
「…強く、ならねぇといけねぇ。俺だけじゃなくて百鬼全員がな…百鬼夜行に行く妖怪と休みの妖怪に分ける。日替わりで休みの妖怪は稽古させる。稽古場は裏の広い空き地だ……伝えてくれるか」
「はい、分かりました。ですが焦らなくてもいいのですよ。余裕を持って一緒に頑張りましょう」
「蓮華にはいつも励ましてもらってばっかだな、ありがとう」
頭をぽんぽんして去る桜李に蓮華は顔を真っ赤にしてしばらく俯いていた