不変の想いを君に…
「親父」
縁側に琉威たちと座っていた天堂に声をかける。十六夜は池の鯉と戯れているためちょうど良かった
「さっき蓮華に話したが明日から百鬼夜行は日替わりにする」
「どういうことじゃ?」
「百鬼夜行に行く妖怪と休みの妖怪に分けんだよ。んで、休みの妖怪は稽古させる。稽古場は裏の広い空き地…もちろん俺も参加する。だから毎日とは言わねぇが、親父も参加して相手してやってくれ」
それを聞いた親父は面倒くさそうに桜李を見るため琉威たちは苦笑いするしかない。そんなに面倒くさいのか…天堂の首に腕を回してグッと引き寄せると美形の顔が並び優希は頬を染め晴樹が叩いた
「お袋のためだろうが。親父だって会議で承諾したろ」
「んなこたぁ初耳じゃ」
「お袋が関わってなかったら頼まねぇよ…何でもいいわ、とにかく協力してくれ。早く解決すりゃお袋との時間なんかいくらでもあるだろ」
「分かったから離せ…………十六夜ー!」
首を回しながらだるそうに立ち上がった天堂はころりと表情を変え走って十六夜に抱き着いた。それを苦笑いで見ていた桜李だがくいくい、と裾を琉威に引っ張られてその場に腰を下ろした
「十六夜さんがどうしたの?…また、狙われてるの?」
「…」
何でこいつらが居るのに話しちまったんだ、と今更後悔
「桜李~」
庭から走ってきて軽やかに縁側に上がってきた白は桜李の肩に飛び乗った。琉威たちは初めて見る妖怪に驚いているが白はふさふさの尻尾を桜李の首に巻きつけて落ちないようにしている
「忙しくなるから今までより相手にしてやれねぇ」
「そっかぁ」
「でも影狼と仲良くなったんだろ?」
「うん、だから大丈夫」
「桜李さん…」
琉威の低くなった声にびくっとする。いいところに来てくれた白と話していたが誤魔化しがきかなかった