不変の想いを君に…
二
朝から十六夜は出掛けていたため知らせることは出来なかったが休みの妖怪たちは早速稽古に励んでいた。桜李は十六夜が消息不明の間も別の場所で修行していて実力が認められて総大将になったため教えることは出きるだろう
「総大将、手合わせしてもらっていい?」
「おう」
百鬼たちに呼ばれてあちこち回る。手合わせしていると琉威たちがやって来て稽古を立ち止まって見ていた
「獅蛇っ」
近くで百鬼と戦っている獅蛇に優希が声をかけると中断して笑いながら来てくれた。危ないから少し離れた場所に座った
「どうしたんだ?」
「何か稽古するって言ってたから来ちゃった。まさか獅蛇が居るとは思わなくて…邪魔しちゃったかな」
「んなことねぇ。アタシもそろそろ止めようと思ってたしな」
しゅんとした優希に笑って返すとすぐにぱっと笑顔になった
顔近ぇな…
「ずっとしてたの?」
「あぁ…三時間は経ったな」
「休憩せずずっと!?」
「あぁ。んとに面倒くさいことこの上ねぇよな~。何でアタシまで」
方膝を立て煙管を取り出しながら座り涼しい顔で答える獅蛇が逞しい
「獅蛇って女だよな?」
失礼極まりない涼に肘で脇腹に食らわせた獅蛇と痛そうに悶えている涼
「うるせぇな…アタシでんなこと言ったら十六夜はどうなんだ。あの強さは異常だろ」
「いや、そうじゃなくて――」
悶えながらも続きを言おうとする涼を睨み付けると慌てて口を閉じた