不変の想いを君に…
稽古が終わり全員で本家に戻った。何時間にも及ぶ稽古は本当に疲れたようで着くなり倒れた者も居た。やりすぎたかと思ったが最初はこんなものだろう、次第に慣れるはず。汗をかいたから風呂に入りたいが湯を沸かさなければなるまい…
「お疲れさまでした。お風呂どうぞ」
そんな面倒くさいことを考えていると十六夜の声が台所から聞こえてきて覗いてみると稽古日ではない百鬼たちが一緒に昼餉を作っていた
まさか帰って来ているとは…稽古をしていることは知られてもいいが、何故しているのかまではまだ知られたくない
「十六夜様ありがとう」
わらわら百鬼たちは向かうが天堂が一番早く飛び込んでいった
汗かいた身体で十六夜に抱き着けないのだろう…
「桜ちゃん、どうしたの?」
風呂の番がまわってこない。ぎゃーぎゃー聞こえるから遊んでいるのだろう…親父も混ざって。逆上せてしまえ、と考えていると十六夜が隣に正座して顔を覗きこんできた
「どうしたのって何が?」
「ん?考え事してたからどうしたのかなって」
そっちか。知られてもいいがやはりどきっとする。十六夜を守りたいのは皆同じ。もう大きいのに未だに小さい頃のように話しかけてくる母親が可愛い…天堂とは違う意味で。だから少しでも安全に負担無く過ごさせてやりたい