不変の想いを君に…
「やっぱり翔炎たち強いね」
袖を捲って肩からは逞しい腕が見えている翔炎と十史郎。先代の幹部ということで百鬼たちは恐縮していたがすぐに打ち解けた
「どうかな?」
「十六夜さん、来るなんて珍しいね」
琉威の隣に座った十六夜は笑って稽古している皆を見る。熱心に相手をしている天堂は十六夜に気づいていない
「十六夜さん、体調は?」
「…うーん、耳鳴りもしてきてね」
「いつから…?」
「頭痛は桜ちゃんたちが稽古する少し前からで耳鳴りは少し後かな」
心配そうに見つめてくる琉威たちを見て言わない方が良かった、と後悔した。大丈夫と笑って返したが琉威たちはただ体調が悪いのではないと確信した
「天堂さん、桜李さん!」
十六夜は稽古が終わる一足先に帰ったためチャンスだと二人に近づいた琉威たちに何事だと足を止めた
「十六夜さん、最近体調悪いみたい」
そう言った瞬間、二人の顔が険しくなり威圧感が増した
「どういうことだ」
「桜李さんたちが稽古始める少し前から頭痛がして少し後から耳鳴りがするようになったらしいんだ。最近症状がよく出るようになって辛そうだった」