不変の想いを君に…
「大丈夫ですよ…最初から強い者はおりません。先代だって今の桜李様と同じように悩んで苦しんで、時には仲間の死も経験して強くなられました。桜李様も今踏ん張れば一段と成長します。…仲間や十六夜様のことでこれから先も苦しむ日が必ず来ます。でも桜李様一人で焦ることはありません。仲間、十六夜様、先代、あたしだって居ます。総大将という立場もあって心情を吐露するのは難しいと思いますが今のように話してみてください。きっと道は開けます」
微笑みながら、でも射抜くような強い目に身体の力が抜けていく。そうだ、一人で悩むことは無い。頼って恥ずかしいことは無い
一人で強くなる必要は無いのだから
「…蓮華が居てくれて良かったよ」
「…」
「ありがと、な…」
「桜李様…!?」
微笑みながら倒れていく桜李を抱き止めた蓮華。すぐに寝息が聞こえてくる
今までに無い事件に心身共に疲れている。それはそうか。母親を守るために頭を使い、強くなるために身体を使い……
お疲れさまです
自室へ運んで布団で寝かせてやればいいのだが…桜李が寝転んでいる膝が温かい
――少しだけ我が儘を聞いてくださいね