不変の想いを君に…
十六夜から離れた刹那はゆっくり歩き出し十六夜も隣を歩く
『あいつは刹と言う。捨てられていたところをわたしが拾った。わたしに恩を感じ慕っていた。だがわたしが殺されたことを知って勝手に復讐だなんだとほざいているようだ…すまないな』
名前が似ている、刹那が名付けたのだろうか
ちらり、と隣を見上げる。刹のことを語る刹那の表情は悲しそうでこの広い草原の遠くを見ているようだった
『あんなだが慕ってくれていてわたしにも情がある。任せてほしい』
「任せて――」
ほしい?と聞き返そうとして立ち止まったかと思えばまた抱き締められる
肩が震えている
自分の拾った子がこんな真似をしていることが悲しいのだろうか…力強い抱擁に何も出来ず、何とか腕を背中に回して擦る
…いつも天堂にしているように
『十六夜…わたしの最期の言葉、覚えているか』
「忘れるはずがないですよ…今こうしていることで余計に忘れません」
『そうか…』
十六夜の肩に額を乗せている刹那。触り心地のいい髪を撫でる